中橋メソッドの成り立ち・背景
数多くのトップアスリートを導いてきた経験の中から、ほとんどの選手たちが、幼児期に様々な運動や外遊びをした経験によって「身体を動かす」という基本的なスキルを習得し、トップアスリートにまで上り詰めてきていることに気が付きました。
しかし、現代の子どもたちは昔とは違い、登り棒やジャングルジムのような公園遊具に触れたり、屋外で身体を使って遊んだりする機会が激減している状況があり、子どもたちの適切な発育・成長を妨げかねない環境下に置かれ、更に昨今のコロナ禍によって、世界的にも子どもたちの運動不足が問題となりつつあります。
また、自身の息子には発達障害があり、3歳の頃から、「運動はできても整列ができない」ことから先生方にいつも怒られ、やる気がどんどんなくなっていく我が子を見ていると、親も居た堪れなくなり、怒られるのを聞いている子どもも萎縮し、指導する先生自身が感情を抑えられなかった自分を責めてしまう…そんなシーンを何度も見てきたことから、子どもたちが怒られることなく、能動的に楽しく集中できるような指導方法を考案することが必要だと考えるようになりました。
そうして、現代の限られた環境の中でも、子どもたちの年齢、個々のスキルに応じて、自ら進んで楽しく運動ができるような、身体と脳の発育・成長を促すメソッドを確立すべく、専門知識も学びながら様々な情報をインプットし、自身の子どもの成長と共に、実際の授業現場でアウトプットしていくことによって日々ブラッシュアップを続け、6年の歳月をかけて構築してきたものです。
中橋メソッドのコンセプト
「心」「技」「体」「脳」で才能を伸ばす。
中橋メソッドでは、未就学児童を対象に「心」「技」「体」「脳」をキーワードとして、「生きる力」を養うことを目的とした指導をしています。
心 | 「好奇心」と「探究心」を育て、最高の自分と出会い、自己肯定感を醸成する。自分の気持ちを身体で表現できるカリキュラムで「思いやり」のある行動、「共感力」を引き出すコミュニケーション能力を育てる。 |
技 | 正しい身体の使い方を楽しく学習体験する中で、「もっと上手くなりたい」という意欲を掻き立て、予測→行動→反省から、再び「挑戦」に繋げていくスキルを確実に身に付けさせる。 |
体 | 30の基礎運動をもとに、ベースとなる身体をバランスよく伸ばしていくことで、健康な身体づくりをサポートしつつ、心身活動の源である「元気の種」を撒く。 |
脳 | 自分で考え、行動し、身体を通して”体験”を積み重ねることで、脳の欲望や感情を扱う大脳辺緑系を刺激し、「運動」=「楽しい達成感」と感じさせ、更なる意欲に繋げる。ワーキングメモリを運動しながら鍛えつつ、記憶力を向上させて左脳を刺激する。 |
子どもの成長に合った計画の立案
中橋メソッドでは、子どもたちの目線に立ったカリキュラムの作成を行っています。
カリキュラム概要
対象年齢 | 指導内容 | 目的 |
---|---|---|
対象年齢2歳 | 動物のモノマネ体操など、リズムに合わせて身体を動かすことで運動に興味を持たせ、『好き・楽しい』の感覚を身に付け、子どもの探究心をくすぐります。マットやコーンを用いた凹凸や、不安定な場所を設けることで、足うらや手のひらの感覚を刺激していきます。 | 正しく歩くことと柔軟性を大切にし、転んでもすぐに手が出るような反射神経や体幹を養います。 |
対象年齢3歳 | アシカやブリッジ、V字キープなどの補助運動、サイドステップの横移動やランニング、マット運動の前転、鉄棒の前回り、跳び箱の開脚跳び、ボール遊びなどにチャレンジします。タンバリンや笛の音に反応し、リズミカルでテンポのいい運動を通して、リズムで覚え、『もっとやりたい』を刺激し、挑戦する心を培います。 | 下半身を正しく使いながら、腹筋や上半身を使った運動ができるようにサポートします。専門的な種目に繋がる補助運動や感覚づくり運動を中心に、柔軟性と筋力を相互的に向上させます。また、決められた場所に着地する、人や物の場所を把握するといった空間認識力も養います。 |
対象年齢4~5歳 | マット運動・鉄棒・跳び箱・平均台・ロープ・縄跳び・サッカー・野球など、器具を用いて全身を連動させる、複合的な運動にチャレンジします。更に、集団でできるサーキットやインターバル運動を効率的に取り入れることで、全ての時間で、飽きることなく集中して体を動かすことができるようにサポートします。「楽しい、もっとやりたい」から「上手くなりたい」と『欲』が出てくるので、「上手くできるにはどうすればよいか」を「振り返り」することで、考える力も身に付きます。 | この時期には、基本的な運動が円滑にできることを目指します。また、より専門的な運動や技にも挑戦します。「動」的な運動ばかりではなく、静かに集中し、ペットボトルの蓋を積む「静」の動きも組み合わせ、『静と動』のメリハリで、集中力、気持ちの切り替えなど、脳や心を落ち着かせることも学びます。 |
世界基準のカリキュラムに対応
文部科学省も国内での普及を推進している、国際バカロレア機構が提供する"多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成"を目的とした国際バカロレア(IB)という教育プログラムがあります。
この国際バカロレア(IB)の3歳から12歳までを対象としたPYP(Primary Years Programme)の認定校であるアオバジャパン・バイリンガルプリスクール晴海・芝浦・早稲田・三鷹では、IBのワークショップを受けた私たちの先生が体育の時間のカリキュラム実施を担っています。
IBプログラムの学習者像
中橋メソッド体験者VOICE
中橋メソッドを体験いただいた当事者や関係者の皆様からの喜びの声をご紹介いたします。
<中橋メソッド 受講生>
本間 幸恵ちゃん
・受講時期:2018年〜 現在(月2回)
・受講内容:プライベートレッスン
・コメント:最初は鉄棒やボール投げができるようになるか不安もあったけど、分かりやすく教えてもらい、ほめてもらえるから頑張れました。練習中はとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまい、次までにできるようになっていたいと強く思いました。そして、できるようになった時はすっごーーく嬉しかったです。
<中橋メソッド 受講生の保護者>
本間 扶美子さん
(幸恵ちゃんの母)
・コメント:走りのフォームが良くなり、速く走れるようになりました。空中逆上がりが連続2回転できるようになったりと、目に見える成果はもちろんあります。さらに、楽しさがわかる声かけでルールも守り、できるまでの努力と挑戦を伸ばしてくれるので、集中力も継続するようになり、「できた!」という達成感に繋がりました。心と体を声かけ一つで伸ばせる事に、最初は驚愕しました!レッスン後は「振り返りタイム」があり、今日のポイントやできたことなどディスカッションし、次回まで親子で楽しめる運動遊びや運動の補助などのやり方を提案してもらえるので、運動が苦手な私も、子どもの成長に合った声かけや運動遊びを提案できて、日々子どもの成長を感じつつ、親である私も成長できている気がします。
中橋メソッド 導入施設関係者
アオバジャパン・バイリンガル プリスクール
中野キャンパス 校長
桑木野 美穂さん
コメント:子どもたちは毎週行われる体育の時間をとても楽しみにしていて、わくわくしながら登校しています。年齢に応じて時間配分や内容が構成されており、独自のプログラムで子どもたちの能力に合ったレベル、もしくはちょっと頑張ればできるレベルで考えてくださっており、達成感を味わうことで次のやる気に繋がるようプランニングされています。授業は、元気に挨拶をすることから始まり、ストレッチやラジオ体操、マットサーキットや大縄跳びと楽しく身体を動かすアクティビティが満載です。ふざけてみんなで大笑いする時もあれば、一人一人が真剣に取り組むこともある。メリハリのある授業だからこそ、子どもたちはその日が終わっても次が待ちきれないぐらい、授業が大好きのようです。私も校長として、子どもたちが楽しそうに運動している姿や発達過程を見ることができてとても嬉しいです。
アオバジャパン・バイリンガル プリスクール
芝浦キャンパス 副校長
古尾谷 大嗣さん
コメント:先生には、年齢に応じた様々なチャレンジを子どもたちに与えてもらい、またその際には、適切な声かけで子どもたちのやる気を引き出してもらっているので、子どもたちは体育の授業をとても楽しみにしています。クラス担任の先生が体育の授業を持つと、先生によって進め方の個人差が出てしまいます。それをプロの先生に来ていただくことで、子どもたちの学びや成長がムラなく底上げしてもらえるので、とても助かっています。